IT業界では、人材不足が進んでいるため未経験からエンジニアを目指す方やフリーランスエンジニアを目指す方が増えています。それに伴い、IT市場で需要の高いプログラミング言語の1つであるGoの注目度も高まっています。この記事では、Goというプログラミング言語についてや未経験からGoを習得する方法を解説します。
Goとは
GoはGoogleが開発したプログラミング言語です。近年注目されているプログラミング言語でもあり、PayPal、Uber、NETFLIX、salesforceなどでもGoが使用されています。Goに関して、公式サイトには下記のような説明があります。
Go is an open source programming language supported by Google
Easy to learn and get started with
Built-in concurrency and a robust standard library
Growing ecosystem of partners, communities, and tools
つまり、GoはGoogleがサポートしているオープンソースのプログラミング言語であり、習得と開始が簡単かつ並列処理が得意なプログラミング言語です。
Goで開発するメリット
Goで開発する代表的なメリットを2つ紹介します。どちらも重要なメリットなので、今後Goを勉強するという方は押さえておいてください。
並行処理・並列処理が得意
Goのメリットとして真っ先に出てくることが多いのが、並行処理・並列処理です。先に並行処理・並列処理を簡単に説明します。
- 並行処理:範囲内で複数の処理を行う
- 並列処理:ある時点で複数の処理を行う
並行処理は複数の処理を走らせるための構成であり、並列処理は実際のコードを実行することを指します。
実行速度が速い
Goは実行速度が早いプログラミング言語です。実行速度の速さにはコンパイル型言語であることが影響しています。コンパイル型言語は、プログラムをコンパイルして実行ファイルを作成することで、実行速度を速くすることができます。一方で、PHPやRubyのようなインタプリタ型の言語は、コンパイルしない代わりにプログラムを実行するたびに変換する必要があるため実行速度が遅くなってしまいます。
Goで開発できるシステム
Goは、WebアプリケーションだけではなくAIやIoT分野でも使用できる汎用性が高いプログラミング言語です。また、広告配信システムのような処理速度や並行処理が求められるシステムでは、積極的にGoが採用されています。
モバイル向けのgomobile
gomobileを使用することで、Goを使用したモバイルアプリの開発も可能です。Goを使用することで、実行速度や並行処理などのGoのメリットをアプリ開発にも活かすことができます。Goでモバイルアプリを開発する場合には、Dart(Flutter)やSwift、Kotlinなどの知識も必要になるので、モバイルアプリに興味がある方はそのようなプログラミング言語も調べてみると良いでしょう。
未経験からGoエンジニアになる方法
近年、他言語からGoへのスキルチェンジや未経験からGoをキャッチアップする方は増えてきています。Goエンジニアとしてスキルアップするには実務経験が1番です。そのため、未経験採用を行っている開発企業への就業やフリーランスとしての案件獲得を目標に、Webサービスや書籍を活用して自己学習を進めると良いでしょう。
Goエンジニアの学習ステップ
公式サイトを使用した自己学習
Goの公式サイトには、さまざまな学習リソースが紹介されています。まずは、WebサイトでGoに触れてみるのも良いでしょう。同時に、初学者向けの書籍を利用することでGoの理解を深めることができます。
制作物の作成
プログラミングに慣れている場合は、Goを使用して制作物を作成しましょう。アウトプットとして目に見えるものがあると、採用担当者も的確に実力を判断することができます。プログラミングに慣れていなく、制作物を作成することが難しい場合はWebサイトや書籍でインプットした内容を的確に伝えられるような準備が必要です。
Goエンジニアのキャリアパス
実際にGoエンジニアになった後には、どのようなキャリアパスがあるのか気になる方も多いと思います。この記事では、Goエンジニアが選択することが多い職種を2つ紹介します。
SE(システムエンジニア)
最も多いのはSE(システムエンジニア)です。一般的にイメージされるエンジニアはPG(プログラマー)とSE(システムエンジニア)に分かれます。PGは、実装をメインに行うポジションですが、SEはシステムのサービスの要件定義やシステムの設計などを担当します。そのため、PGからSEへとステップアップするのが一般的な流れです。
ちなみに、SEに求められるスキルレベルはPGよりも高いので、フリーランス市場ではSEとPGで10〜20万円ほど報酬が異なる場合もあります。
PM(プロダクトマネージャー)
PM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクト全体を管理するポジションです。企画、予算、工数を割り出し、人材確保などを行います。PMには、問題解決力や管理能力も求められますが、開発経験やシステムに対する知見も必要です。そのため、エンジニアとして開発経験や知見を積むことでPMにキャリアアップすることができるでしょう。
Goエンジニアの年収相場
FAworksのデータをもとにGoエンジニアの平均年収を集計しました。年代ごとにまとめてあるので、自分の年代の平均年収を参考にしてみてください。
- 20代:864万円
- 30代:936万円
- 40代:948万円
- 50代:900万円
2021年におけるGoエンジニアの年代別平均年収では、20代が864万円、30代が936万円、40代が948万円、50代が900万円という結果です。Goエンジニアの需要は他のサーバーサイド言語と比較しても高く、年収1000万円も現実的です
Goエンジニアに求められることが多いスキル
Goエンジニアとして案件に参画する際に求められることが多いスキルについて解説します。下記スキルを身に付けることで、Goエンジニアとしての価値も高まるので参考にしてみてください。
設計(基本設計、詳細設計)の経験
Goに限らずエンジニアとして案件を獲得する際に求められることが多いのが設計スキルです。設計には機能一覧やアプリケーションの構成図、画面レイアウトなどの基本設計(外部設計)と基本設計の内容を実現するために、モジュールの処理内容、連携方法や、画面の遷移フローを設計する詳細設計(内部設計)がありますが、少なくても詳細設計(内部設計)の経験はあると良いでしょう。
「Goでの実装経験はあるけど、設計の経験がない」という方は、まずは詳細設計に携われる案件に参画して、だんだんと担当領域を広げていきましょう。
クラウドサービスの知見
近年、クラウド化が進んでいるためAWSやGCP、或いはAzure環境で開発を行う案件も増えています。それに伴い、エンジニアに対して「クラウド環境での開発経験」が求められる機会が増えています。これから、Goエンジニアを目指す方は積極的にクラウド環境での開発経験を積みましょう。
フロントエンドの開発経験
Goはサーバーサイドで使用されることが多いプログラミング言語ですが、実際の現場ではフロントエンドの開発に携わる場面もあります。その際に、求められるのがJavaScriptやTypeScirptなどのフロントエンドに使用されるプログラミング言語の経験です。エンジニアとしてのレベルアップや高単価案件の受注を目指している方には是非習得して欲しいスキルです。
フリーランスGoエンジニアの需要と将来性
フリーランスという働き方に対して案件獲得や報酬に関する不安を感じる方も多いと思います。しかし、近年ITエンジニアの需要は高まっておりフリーランスエンジニアとして働く方も増加傾向です。そのため、エージェントの利用やキャリアプランの構築をしっかりと行うことで安定的に案件獲得をすることも可能です。また、Goエンジニアに関しては、対応できるエンジニアが少ないかつ案件も豊富にあるため、他言語と比較しても安定的に案件を獲得しやすい状況です。一方で、IT業界は需要の変動が激しい業界でもあるので最新の技術を常に確認しておくことも必要です。必要に応じて、Go以外のプログラミング言語の習得や担当領域を広げることを検討することをおすすめします。
Goエンジニアを目指すために
未経験からエンジニアを目指す際にGoは非常に良い選択肢です。案件数からみれば正社員としても就業しやすいですし、フリーランスエンジニアとしても案件を獲得しやすいスキルです。エンジニアに興味がある方や今後フリーランスエンジニアを検討している方は書籍やWebサービスを利用してGoに触れてみてください。
また、FAworksではキャリアプランの支援や未経験向けの案件も取り扱っていますので是非お気軽にお問い合わせください。