PHPはWeb開発言語の中でも、1995年から人気が衰えない言語です。主に動的なWebページ制作等に使われ、Facebookなどの大型サイトから、動画配信サイト、人材マッチングサイト、予約受付サイト、ECサイトなどPHPでの開発は幅広く行われています。 PHPで大規模なシステム開発が行われるようになり、フレームワークの種類も豊富になっていることも特徴の1つです。代表的なものはSymfonyやCodeIgniterなどで、それぞれ案件ごとに適したものが使われています。
PHPの名が広まるにつれ、以前に比べれば増加したと言えるPHPエンジニア人口ですが、まだまだ案件の数は多く依然として需要があります。
PHPエンジニアとして仕事の幅を広げるには
PHPエンジニアとして言語の知識やプログラミングスキルを高めることは重要ですが、仕事の幅を広げることを考えるのであれば、幅広い開発フェーズを経験することも必要になります。要件定義、設計、開発、テストといった特定の開発フェーズ経験を必須とした案件も存在するからです。 また、フロント側に携わった経験もあると良いでしょう。Web開発では当然サーバー側だけでは完結せず、HTML、CSS、JavaScriptといったフロント側が存在します。案件によっては、PHPの知識や経験に加え、これらフロンド側の知識や経験を求めるものもあります。
PHPエンジニアのキャリア
PHPエンジニアとしての将来には、どのようなキャリアがあるのでしょうか? 以下、キャリアの例を3つ紹介します。
PHPスペシャリスト(専門エンジニア)
その名の通り、専門家としてPHPに特化したエンジニアになるということです。プログラミングスキルや多種の案件経験はもちろん、フレームワーク、サーバーやデータベースなどPHP周りの知識や経験を深堀りして、PHPのことなら全て対応できるようなスペシャリストになります。 スキルや知識が高まれば当然仕事も増える可能性が高いですが、一方でリスクもあります。他のプログラミング言語と同様に、言語には流行り廃りがあり、需要も一定ではありません。当然今は人気も需要も高いPHPですが、今後も続く保証はなく、需要がなくなったときにPHPでの開発しか出来ないという状況になると、仕事を得るのがかなり厳しくなるかもしれません。
プロジェクトマネジャー
開発~運用・評価まで、案件の全体を管理するプロジェクトマネジャーになるのも1つのキャリアパスです。開発や下流行程の経験を積んでからプロジェクトマネジャーになることで、現場で起こる問題などを予測したり、エンジニアへのフォローを上手く行うことができるでしょう。PHP以外の言語が使われる案件に関わる可能性もあるため、PHPエンジニアとしての現場経験をフルに活かせるかどうかの保証はありませんが、プロジェクトマネジャーとして経験や知識を高めることで、これまでよりも仕事の幅が増える可能性もあります。
プロジェクトマネジャーはプログラミングなど実作業をこなしていれば良い職種ではなく、仕事の必須スキルには開発の知識やスキル以外にコミュニケーション能力やマネージメント経験を求められる場合もあります。また、上流工程から下流行程まで一通り開発に携わった経験を求めるケースもあります。 さらに、マネジャー業務はポジションの数が少ないため競争が激しくなります。プロジェクトマネジャーをキャリアに見据える場合は、早いうちに求められるスキルや経験を計画的に身に着けていく方が得策でしょう。
マルチエンジニア
PHP以外の言語も「マルチ」に扱えるエンジニアです。 PHPエンジニアとして知識や経験を積む一方で、Java、Python、Rubyなど、Web開発周りの言語を網羅的に使えるエンジニアになるということです。 また、この逆パターンのマルチエンジニアもあります。例えば、Rubyをメインで扱い、PHPは簡単な開発であれば使ったことがあるといったようなエンジニアです。多種の言語を扱えれば、流行り廃りによって仕事をなくす可能性も少なくなります。
リスクとしては、全て中途半端になってしまう可能性もあるということです。特にPHPを始めて経験が浅いうちから2言語目、3言語目と手を出すと、それぞれの言語のエンジニアとして十分な経験がつくまでに時間がかかってしまうこともありえます。また、同じWebに使われる開発言語といってもPHPとRubyには文法的に違いがあったりするため、複数言語を学ぶ際は腰を据えて取り組まないと、直ぐに壁にぶつかってしまうかもしれません。 このようなリスクもありますが、実際には複数言語の経験を求める案件も多くあるため、適切に経験とスキルを身に着けていけば需要の高いキャリアともいえます。
PHPエンジニアで高単価案件を目指すには
PHPエンジニアの月単価は、40万円程度のものから100万円近くのものまで幅があります。他の言語のエンジニアと同様に、年次、経験・スキル、知識があるほど単価の高い案件を得ることができる可能性が高くなります。 年次については、他の仕事と同じくエンジニアとしての年次の高さが単価に比例する傾向があります。
求められる経験でメジャーなものでは、まずLAMPの開発経験です。PHPエンジニアの場合は、この経験は大きな武器となります。 利用デバイスがスマホに移ってきている近年はアプリの需要が見込めることから、スマホの開発経験も役立ちます。
その他、上流工程の要件定義を経験している、アーキテクチャも経験している、データベースについての知識がといったことが挙げられます。また、最新のVRをさわったことがあり、旧VRとの違いが分かることが求められる場合もあります。
PHPエンジニアの年次ごとの年収モデル
以下は、PHPエンジニアの年次ごとの経験・スキル例と、その年収モデルです。 年次を重ねるごとに経験とスキルの幅を増えていき、年収が右肩上がりに遷移します。
PHPエンジニア経験1年目
PHPエンジニアとしては1年、他も含めたエンジニアとしては1~2年程の経験を持っているケース。普段はフロント側をメインでやっているが、PHPも対応可能という初級エンジニア。
年収例:480~720万円程度
PHPエンジニア経験2年以上
PHPエンジニアとしては2年以上の経験があり、他も含めたエンジニアとしては3年程度の経験を持っているケース。 LAMPでの開発経験も2年以上あり、詳細設計からテストまで行えるスキル・経験を持つ初~中級エンジニア。
年収例:720~780万円
PHPエンジニア経験3年以上
PHPエンジニアとしては3年以上の経験があり、他も含めたエンジニアとしては5年以上の経験があるケース。 LAMPでの開発経験は3年以上あり、基本設計〜テストまでを複数の案件で担当した経験、何かしらのフレームワークの経験もある中級エンジニア。
年収例:840~900万円
PHPエンジニア経験7、8年以上
PHPエンジニアとしては7、8年以上の経験があり、他も含めたエンジニアとしては8年以上の経験があるケース。 PHPだけに限らず、Java、Scala、python、近年ではGO言語など、複数の言語を経験している上級エンジニア。
年収例:960~1,020万円程度
上記はあくまでもFAworksでの実績を元にしたキャリアモデルですが、これくらいの年収をめざすことはそんなに難しいことではありません。 これからPHPエンジニアとしてキャリアを積もうとお考えのフリーエンジニアの皆様の参考になれば幸いです!