SQLって何?データベースの基礎知識
SQLはデータベースを操作する言語のひとつで、ISO(国際標準化機構)で規格が決められているため、汎用性が高く、一度覚えればデータベースが変わっても同じように扱えるという利点があります。主にデータベースに対してデータの追加、削除、修正、閲覧などを行う際のツールとして用いられます。SQLはデータベース言語であり、プログラミング言語ではないため、SQLだけではシステム開発はできません。
あくまでも、DBMS(データベース管理プログラム)の中で、データベースに対して命令を発行するための言語です。データベース内のデータに対して、指定した条件のデータを検索する機能しかないため、通常の言語のようなデータ処理のプログラムを構築することはできません。SQLは、データベースに対してコンソールから直接コマンドを入力してデータベースを操作することもできます。
また他の言語と連携して使われることも多いです。PHPやJavaをはじめとして多くの言語と連携しています。例えばCOBOLと連携する場合、COBOLで構築されたプログラムの中にSQL文を挿入して、データベースを検索して指定されたデータを呼び出します。そして、呼び出したデータに対して別COBOL側で削除、修正、閲覧などの処理をしてデータベースに処理結果を戻します。このように、プログラムの中のデータベースにアクセスするSQL文を埋め込むのがもっとも多い使い方です。
DBエンジニアだけじゃない!SQLの知識が活かせる業務
SQLは、COBOL言語などで構築されたプログラムから、データベースにアクセスする際にも使用されますから、COBOLなどのシステムエンジニアやプログラマーにとっても習得が必須とされる言語です。また、最近ではシステム開発の現場ではなく、企業の他の部署でもSQLが活用される場面が増えています。たとえば、営業部の社員がSQLを使ってデータベースにアクセスし、営業活動に必要な資料を作成するなど、エクセルの関数を扱うようにSQLが使われています。
SQLではクエリを使いますが、クエリはエクセルでも使用できるため、SQLのデータをクエリを使ってインポートしたりエクスポートしたりして、業務に生かすことができます。SQLはさまざまな部署で必要とされるため、SQLの知識があれば就職にかなり有利となります。SQLを使うと直接データベースにアクセスできるため、営業活動の資料作成に使えるだけでなく、売上データをSQLで抽出して経営分析に役立てることもできます。
さらに、ウェブサーバからSQLで抽出したデータを使って、ウェブサイトのアクセス解析に利用することも可能です。また、POSシステムから顧客情報を抽出してマーケティングに利用するなど、SQLの知識はさまざまな場面で活用することができます。
実際にはどんな求人があるの?
SQLはデータベースを扱う言語のため、サーバーサイドの開発案件が多くなっています。SQLをメインとする求人ではバージョンアップに伴うデータベースの修正作業やECサイトの購買データやログの集計・加工等などがあります。
ただ、SQLだけのスキルだけあれば良いという求人はあまり多くないのが現状です。大企業の金融管理システムや大規模なECサイトのサーバーサイドの開発などの場合は、SQLに加えJava、Scala、C#といった他の言語を利用して基本設計からテストまでを対応する案件が多く、他の言語の経験が必須の案件が多いです。
Web系の開発案件の場合、バックエンドに加えフロントエンドの開発も任されることもあります。その場合、SQLに加えPHPやJavascript等の開発経験が必要とされる場合が多いです。
SQLの知識以外に持っておくと有利なスキル
SQLは企業の中でもいろんな部門で必要となる言語ですから、SQLの資格を持っていると就職にかなり有利となります。ちなみに、SQLを活用するためには、SQL以外のことも知っておく必要があります。情報システム関連全般についての知識も求められますので、それらを総合的に学んで身に着けておくといいでしょう。
では、SQLに関する資格にどんなものがあるのか見てみましょう。
マイクロソフトテクノロジーアソシエイト(MTA)
SQLに限らず、IT関連全般についての知識があることを証明する資格です。データベースについての基礎知識はもちろん、SQLサーバの知識も身に着けることができます。
オラクルマスター資格制度
SQL開発元のオラクル社が認定する資格試験です。開発元だからこそわかる、知っておくべきことがテストに出題されますので、この資格を取っておけば就職で有利になるのは間違いありません。
MySQL認定資格
オラクル社が認定する資格試験です。この試験に合格することで、MySQLの最新機能の知識があることが認定されます。
オープンソースデータベース技術者認定資格(OSS-DB技術者認定資格)
オープンソースデータベースに関する知識力を認定する資格試験です。IT技術者の中でも上級者向けの資格試験で、難易度が高いために会社の資格取得支援制度などを利用して受ける方が多いようです。派遣会社でもこのような支援制度を設けている会社がありますから、派遣で働く方も事前にチェックしておくといいでしょう。
SQLのスキルを活かしてフリーランスになるには?
SQLのスキルを活かしてフリーランスになるには、まずどこかの会社に就職してSQLの知識と技術を身に着けることが先決です。そしてSQLに加えてJavaやPHPといった開発言語も身につけるのがおすすめです。もちろん実際に業務でSQLを使って慣れておくことが重要となります。
会社は、何も教えなくても業務がスムーズにこなせる熟練者だから、フリーランスを使おうとするのです。そうでなければ、会社側にはフリーランスを採用するメリットがありません。会社員とフリーランスの違いは、会社員だと会社がその人を守ってくれます。技術的に未熟であれば、必ずサポートする人がそばにいるように業務体制が組まれています。
この体制のためには人員の確保も必要ですし、会社にもそれ相応の負担があります。フリーランスは会社にこういう負担をかけないから、高い給料をもらえるわけです。会社から何もサポートもしてもわななくても現場でSQLを扱う業務をこなすには、少なくとも数年は実績を積む必要があります。多くの場合、10年くらい会社に所属してからでないと、フリーランスになるのは難しいようです。
データベースエンジニアの年収は?
データベースエンジニアの年収は、スキルによっても違いますが、だいたい400~600万程度です。もちろん経験年数によっても違いますし、勤める会社の規模によっても変わってきます。データベースエンジニアにはいろんな資格制度がありますが、それらの資格を持っているかどうかもある程度年収に影響します。
難易度の高い資格を取得していて、なおかつ現場の経験も十分に積み、チームのリーダーを務められるようになると、さらに収入はアップします。また、フリーランスの場合はもっと年収の多い人もいますが、そうなるには、さらに高いスキルと実績を問われるのは言うまでもありません。