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Python案件数はとても多いです。エンターテイメントからナビゲーションシステムまで、さまざまなジャンルで利用されているPythonならではの特徴だといえるでしょう。とくに日本では、Pythonエンジニアの数はつねに足りていないような状況です。売り手市場だからこそ、高額単価案件も大いに期待できます。
プログラム言語の注目株Python
海外では大変ポピュラーなプログラム言語Python。求人もここ数年でトレンド入りを果たしましたが、なぜこれほどの人気を集めているのでしょうか。
読みやすいというメリット
Pythonは読みやすく簡潔なコードを書きやすいため、誰でもメンテナンスをしやすいです。誕生してすぐに標準のコーディング規制も整備されましたが、いまもなお多くのライブラリがそれに準拠しています。とかく起きがちなインデントやスペースに関する論争を回避することもでき、プロジェクトによってコーディング規約が異なるということもありません。
対話型シェルが便利
Pythonは対話型シェルを実装しているので、ファイルに保存しなくとも実行可能です。こまめに動作確認を行うことができるため、誤入力などのささいなミスによる大きなバグを未然に防ぐことができます。
あらゆるジャンルで使いやすい
Pythonは本格的なオブジェクト指向言語であり、コンパイルなしで動かすことのできる手軽さが魅力です。開発作業の生産性が高いため、プロジェクトの大小を問わず幅広いシーンで使用されています。 たとえば、Webシステム、デスクトップソフトウェア、CAD、3Dモデリング、システム管理用プログラムといったプロジェクトが挙げられます。また実行速度も速いため、ビッグデータ関連のプロジェクトにもしばしば採用されます。異なるさまざまな言語で書かれたモジュールをまとめる、グルー言語としても優れているといえるでしょう。
IT先進国アメリカでの人気
アメリカでは不動の人気を誇っているといっても過言ではないPython。マイクロソフト、アップル、Google、Yahoo!、YouTube、DropBoxなどの世界屈指の企業で使用されています。これはアメリカに数多くのPythonエンジニアが存在しており、世界で活躍できるプロフェッショナルが豊富という背景があります。 一方で、日本国内におけるPythonエンジニアはさほど多くはありません。ただしPythonのニーズは年々高まっているため、社員だけではとても追いつかない企業も増えています。そのような状況でフリーランスのPythonエンジニアは非常に注目されており、高単価案件に出会うチャンスも多くなっています。
日本で高収入?!気になるフリーPythonエンジニアの給与
求人検索サイト「スタンバイ」が2016年に発表した『プログラミング言語別平均年収ランキング』によると、日本国内においてPythonは数あるプログラミング言語をおさえて1位に輝きました。気になる年収はどうなっているのでしょうか。
シェアでは1位ではない
有名企業や研究所などで多数採用されているPythonですが、実際のところシェア率でいえばJava、JavaScript、Cなどの後塵を拝しています。それにもかかわらず、超メジャー級の言語の平均年収を押しのけてのナンバーワンというのは注目に値します。
Pythonエンジニアが高収入の理由
欧米と比較しても、とくに日本のPythonエンジニアは高収入の傾向があります。『プログラミング言語別平均年収ランキング』での1位はRubyエンジニアで、PythonはObjective-Cに続く3位にとどまっています。日本だけなぜ1位をマークしたのでしょうか。 これは日本でもIT先進国アメリカにおけるPython人気に牽引されて、世界的にPythonエンジニアのニーズは高まっていることが関係しています。しかも国内では絶対数が足りない状況。貴重なPythonエンジニアの求人はつねに需要が上回っている状態のため、収入も高水準で推移しているのです。
会社員とフリーランスの年収比較
会社員の年収はどの言語を使用しているかよりも、所属している企業の規模に左右されます。つまり『プログラミング言語別平均年収ランキング』でPythonを1位に押し上げたのも、フリーランスのエンジニアなのです。 たとえば、会社員は安定しているかもしれませんが、年収1000万円越えはなかなかありません。一方フリーランスは1000万円はおろか、2000万円クラスのPythonエンジニアもいます。希少価値のあるPythonエンジニアならではの傾向だといえるでしょう。 FAworksのフリーランスPythonエンジニアの案件の平均月収は59万円です。やはり正社員として働くのと比べるとだいぶ高くなっています。
Python案件の職場環境や仕事内容
高単価を期待できそうなPython案件ですが、実際の求人にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴をみてみましょう。
Webアプリケーションの開発
自社サービスおよび外部のWebアプリケーションの開発は、Python求人でもっとも多くみられるもののひとつです。この現場でもやはりフリーランスのほうが、正社員よりも高収入の傾向があります。またときには流行を仕掛けるような、クリエイティブな案件のチャンスがあることも魅力です。
ゲームの開発
Pythonはゲーム開発でもよく使用されます。コンシューマーゲームからソーシャルゲームまでジャンルは多岐にわたります。ビッグタイトルの開発にかかわるチャンスもゼロではありませんし、高額単価に期待できるでしょう。
ビッグデータ関連
近年話題のビッグデータ周辺でも、Pythonエンジニアはなくてはならない存在です。大規模データを分析するための基盤作りやプロダクト開発などの案件があります。Pythonを熟知してさえいれば、統計解析ライブラリの使用経験は問われないこともあります。エンジニアからデータサイエンティストにキャリアアップしたい人に最適です。
ナビゲーションシステム関連
Pythonなら交通情報配信などのナビゲーションシステムの運用・管理を担うことも可能です。多くのユーザーを抱えるサービスに携われるため、やりがいの大きさでいえば随一だといえます。
医療関連
医療系データベース、人工知能などにもPythonは多用されています。一般的に医療系は予算が潤沢ですが、Python案件でも医療系プロジェクトはおおむね高額です。
新規事業が多い
Python求人は新規事業も少なくありません。ITベンチャーはスタッフも若いことが多く、Pythonのような新しい言語に対しても積極的です。新規事業が必ずしもスムーズに進むとは限りませんが、急成長を遂げた場合のリターンが大きい点は魅力です。
これからもPython需要は期待度大
各プログラミング言語がどれだけ検索されたかを数値化してみたとある調査では、2015年にもっとも話題を集めたのはJavaで、PythonはCやC++に続いて第4位でした。しかし2014年は8位だったので、比較すると大きく伸びていることがわかります。今後もさらに上位にランクインすることが予想されていますが、4位の時点で膨大な求人があるために、ランクアップしたときには求人数、案件単価ともにかなりのレベルに達するかもしれません。
フリーPythonエンジニアがさらに報酬を上げるためのスキルとは
Python案件は前項のとおり多岐にわたります。多種多様なジャンルの求人を眺めていると、どれを選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。そんなときにはPython以外の自分のセールスポイントと、照らしあわせて考えることをおすすめします。案件単価をさらにアップさせるには、Pythonにプラスしてどのようなスキルを持っているかがとても大切です。
Webサービスの開発経験
Webアプリケーションの求人が多いPython案件ですが、Web以外の何らかのアプリケーション開発に携わった経験があれば重宝されることもあります。一方でPHPやLAMPでの開発経験が必須という案件も少なくありません。 そのほかは、各種フレームワークを使っての開発経験も歓迎されますし、業務はもちろん趣味としてWebサービスを構築したことがある人も優遇されます。ゲーム関連のWebサービス求人も数多くあるので、ゲームに関する知識を活かすこともできそうです。
データの分析能力
かつてデータ分析といえばAccessやExcelである程度のことができましたが、ビッグデータにはとても追いつきません。膨大で複雑なデータを分析するには、Pythonを使ってのツールやシステムの作成がいまや欠かせないものになっています。 データ分析に必要になるツールやシステムはプロジェクトごとに異なります。たとえばEコマースサービス、検索サービスの経験があれば、どのようなツールやサービスが必要か理解しやすいでしょう。そういった経験があれば、より高額な案件に従事できる可能性は高いです。加えて広告関連の開発経験があればより有利でしょう。 そしてビッグデータ関連のプロジェクトでは、単に大規模データを処理するだけではなく、データを分析する能力があれば、さらに高額案件を受注できる可能性が高くなります。統計解析、機械学習、自然言語処理などの専門知識があれば、引く手あまたになるかもしれません。ちなみにそういった分析能力を持っていなくとも、いずれはデータサイエンティストとして仕事をしたいというやる気が歓迎されるケースもあります。
サーバの管理能力
Pythonはさまざまな活用法がありますが、定型処理スクリプトの開発経験があるとさらに有利です。Pythonエンジニアのなかでもサーバエンジニア経験があり、TCP/IP、DNS、HTTP、SSLなどの主要なネットワーク・アプリケーションプロトコルに関するスキルを持つエンジニアは、高額案件を大変受注しやすい傾向があります。
英語などの語学力
アメリカの有名IT企業がこぞって使用しているPythonなので、国際的なプロジェクトもなかにはあります。そのような案件は大企業がエンドに入っているケースも多く、案件単価も高額になる傾向です。語学力を活かして働くのも良いでしょう。
Pythonを学べるオンライン学習サイト
Pythonはオープンソースなので、ダウンロードをすれば誰でも勉強をはじめることができます。しかしJavaなどに比べて、Pythonは書籍も情報もまだ少ない状況。そこで勉強ツールのひとつとして知っておきたいのが「オンライン学習サイト」です。
Python-izm
Python学習に特化したサイトです。どこでインストールできるのかというところから、関数の取り扱いやパッケージ化などの応用的な内容もあり、初心者から上級者まで幅広いPythonユーザーに愛用されています。
URL: https://www.python-izm.com/
ドットインストール
日本最大級のプログラミング学習サイトです。受講回数が50万回を超える大人気のPython講座があります。テーマごとに短い動画に分かれており、仕事の合間に学習することも可能です。
Checkio
「ゲーム感覚でPythonが学べる」と謳っていますが、最初の問題が解けなければアカウント登録もできない本格派の無料サイトです。Web開発に関する知識や、ゲーム作りに役立つ問題も出ます。PythonでWebゲームを作るのは、どのようなイメージなのか掴みたい人におすすめです。
オンライン学習サイト以外の方法
自分のペースで勉強できるオンライン学習ですが、人目もないためサボりがちになってしまうこともあります。そのような懸念がある人は、以下の方法で勉強すると良いでしょう。
勉強会やセミナーに参加する
Pythonはいま注目を集めている言語なので、多数の勉強会やセミナーが開催されています。テーマも細かく分かれているので、自分のレベルに合ったものから参加してみてください。また開催エリアは都市圏が多いために、地方在住の人はあらかじめ日程の確認をしておきましょう。
オンライン・コミュニティに参加する
日本でもPythonメーリングリストやコミュニティがいくつかあります。Pythonを利用した開発フレームワークに特化したコミュニティも存在しており、実践的な討論をかわすことが可能です。アメリカにはさらに細分化されたPythonコミュニティがあるので、語学力に自信がある人はぜひ利用してみてください。
Pythonは誰でも学びはじめることができ、自学でスキルアップできるツールもインターネット上に豊富にあります。文法は最低限しかありませんし、ライブラリも大変充実しているので、いまから知識を身につけることも可能です。
多種多様なジャンルのプロジェクトにかかわる機会も多いため、つねに新しい刺激を受けることもできるでしょう。高額単価案件は必ずしも「やりがい」があるとは限りませんが、Python周辺には両者を満たす案件が少なくないのです。