本記事では、フリーランスエンジニア向け案件の市場感や開発内容について解説します。 今回は、Webアプリケーション開発、データ分析、機械学習など幅広い領域で使用されている Python をピックアップします。
Key Points
- AI・機械学習領域を中心に需要が拡大
- Webアプリケーション開発においては大多数が Django を使用
- 月額平均単価は73万円と他言語と比べても高い
Python の業務内容とは
Python は1991年に初めてリリースされたプログラミング言語です。主な使用用途は、データ分析や機械学習、AI関連の開発です。特に、機械学習やAIの開発においては欠かせないプログラミング言語です。Pandas や NumPy、SciPy、TensorFlow、PyTorch などのライブラリが豊富に用意されており、高度なデータ解析や機械学習モデルの構築が可能です。
Webアプリケーション開発では、Django や Flask といったフレームワークが利用され、堅牢でスケーラブルなWebアプリケーションを開発することができます。
データ分析
現在、ビジネスのあらゆる領域でデータドリブンな意思決定が重視されているため、データ分析の需要は引き続き高い状態が続いています。 Python エンジニアの業務内容は、データのクリーニング、前処理、統計分析、データ可視化などがあります。比較的難易度が低い業務もあるため、Python へのキャリアチェンジを目的にデータ分析案件へ参画する場合もあります。
難易度の高い案件には、データ分析基盤の構築やクラウド上でのビッグデータ分析などがあります。
機械学習モデルの開発
Python には機械学習ライブラリが豊富に揃っており、TensorFlow、Keras、PyTorch、scikit-learn などが広く使用されています。機械学習案件では、データセットを元にモデルを設計・構築し、予測や分類、クラスタリングなどのタスクを実行します。具体的な業務内容は、データの収集・前処理、アルゴリズムの選定、モデルの訓練と評価などが含まれます。また、特定の分野や業界に特化した案件では、画像認識、自然言語処理(NLP)、音声認識といった知識が求められることもあります。
Webシステム・アプリケーションの開発
Python はWebアプリケーション開発でも広く利用されており、Pythonエンジニアにとっては安定した需要が見込まれる分野です。特に、Django や Flask は主要なフレームワークで需要も高いです。具体的な業務内容には、データベースの設計、APIの実装、ユーザー認証やセキュリティ機能の組み込みなどが含まれます。
Python 案件の単価相場
FAworks で掲載している案件の平均単価は76万円です。
Python を扱えるエンジニアが少ない上に、プログラミングスキル以外にも高い業務知識やスキルを求められることが多いため、他の言語と比べても月額単価相場が高くなっています。(2024年8月時点)また、最高単価は150万円と高額な案件も見受けられます。
- Java:65万円
- PHP:68万円
- C#:68万円
また、データエンジニアやデータサイエンティストはWebアプリケーションエンジニアよりも高単価な案件が多く、月額平均単価も5万円程度上がります。
Python(Webシステム・アプリケーション)案件で求められるスキル
Webアプリケーションエンジニアの場合は、Pythonのスキルを使用した開発経験があり、フォローなしで実装できることが求められます。 他にも案件獲得のポイントになるスキルをご紹介します。
Django を使用した開発経験
Django は高度な機能と安定性を兼ね備えたフルスタックなWebアプリケーションフレームワークです。Webシステムやアプリケーションを Python で開発する際、その多くで Django が使用されます。Django のスキルで案件数や月額単価が大きく変わるため、Python を扱うWebアプリケーションエンジニアに取っては必須のスキルです。
インフラの設計・構築スキル
クラウド環境での開発経験はWebアプリケーションエンジニアにとって重要なスキルです。 バックエンドエンジニアにパブリッククラウドの設計・構築経験を求める求人・案件も増加しています。設計・構築経験があれば案件の選択肢も増え、高単価案件の受注も期待できます。
フロントエンドの開発スキル
バックエンドとフロントエンドをチーム分けせずに開発しているプロダクトも増えてきています。そのため、JavaScript や TypeScript を使用したフロントエンドの開発経験も評価されやすいです。
Python(AI・機械学習)案件で求められるスキル
AI・機械学習エンジニアには、Python や SQL を使用したデータ分析や機械学習ライブラリの使用経験が求められます。
機械学習モデルの構築経験
機械学習モデルの構築経験も求められることが多いスキルです。機械学習モデルの構築に関連するデータの準備、前処理などの経験も合わせて求められます。
機械学習ライブラリの使用経験
機械学習やAIの技術を使用している案件の多くで機械学習ライブラリが使用されています。 機械学習ライブラリの中でも TensorFlow や Scikit-learn は現場で使用することも多いフレームワークです。
Pythonエンジニアの需要とフリーランス市場の動向
PythonはPythonはデータサイエンス、機械学習、人工知能などの急速に成長している技術分野で広く採用されており、その需要は着実に拡大しています。これらの分野が今後ますます重要性を増すことが予想されるため、Pythonの需要もそれに比例して増加することが見込まれます。
Webアプリケーション開発においても Django を中心に Python を採用するプロダクトが増えているため、Python の需要が増加していくことが見込まれます。
フリーランスエンジニアの案件獲得方法
フリーランス案件・求人の獲得方法をご紹介します。
エージェントはフォロー体制が強み
フリーランスエージェントは、エンジニアのスキルや経験に合った案件を紹介してくれるサービスです。エージェントに登録することで、自身の希望条件に合った案件を紹介してもらうことができます。また、エージェントが顧客と交渉を行い、報酬や契約条件の交渉を代行してくれるため、エンジニアは案件獲得に集中できます。
サービス内容はエージェント毎に異なりますが、税務サポートやキャリアプラン支援、紹介制度などがあります。
クラウドソーシングやHPも選択肢の一つ
クラウドソーシングプラットフォームでは、様々な案件が掲載されており、エンジニアは自分に適した案件を選択して応募することができます。プロフィールやポートフォリオを充実させ、自身のスキルや経験をアピールすることで、顧客からの選定を受けやすくなります。一方で、デメリットとして低単価の案件が多く、競争率が高いことがあります。
AI・機械学習分野を中心に高需要 月額平均単価は76万円と高単価
Python はAI・機械学習分野では欠かせない技術となっています。さらには、Webアプリケーション開発でも Python を採用するケースが増えており、フリーランスエンジニアが参画できる案件も拡大しています。
月額平均単価も76万円と他言語と比較しても高いため、高年収も期待できます。