Webアプリケーションのサーバーサイド(バックエンド)を構築する言語には多くの種類があり、代表的な言語には Java や PHP があります。 フリーランス市場では、言語によって案件数や月額単価が異なるため “どの言語を扱えるか” は非常に重要です。
この記事では、現在トレンドになっている言語や将来的に需要が高まりそうな言語、過去のトレンドとなっている言語について紹介していきます。
Webアプリケーションにおけるサーバーサイドの役割
一般的にサーバーサイドには、Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースが置かれており、クライアントから受けたリクエストを処理して、それに対する応答をクライアントに返すという役割があります。そのため、サーバーサイドエンジニアには SQL のようなデータベース言語や RDB 、NoSQL といったデータベースに関する知識も求められます。
トレンドのサーバーサイド言語
Python
Python はWebアプリケーション開発で採用されることも多い言語です。Python がWebアプリケーションで採用される大きな理由は Django というフレームワークにあります。 Django は Python で書かれたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークであり、下記のような特徴があります。
- MVCアーキテクチャを採用しているため、データベース、ユーザインターフェース、ビジネスロジックの分離が可能となり構造が整理しやすい
- データベースとの連携が容易
- セキュリティレベルが高い
GitHub のデータでも Python は使用率が高いことが示されており、トレンドといえる言語でしょう。 フリーランス市場においても案件数は増加しておりPython エンジニアは需要の高い人材です。一方で、Flask のような Django 以外のフレームワークを使用する案件はあまり多くないため、サーバーサイド開発案件においては Django を扱えることがほぼ必須条件です。
TypeScript
TypeScript はフロントエンドで使用されることが多い言語ですが、Node.js という技術によってサーバーサイドでも動かすことができます。さらに、Nest.js や Express.js といったサーバーサイドフレームワークも充実しておきており、サーバーサイド言語としても魅力的な選択肢です。 Node.js は非同期処理を行えることもメリットですが、企業としてはフロントエンドとサーバーサイドの言語を統一できることはコスト面でも大きなメリットであるため案件数も増加しています。
TypeScript x Node.js のフリーランス向け案件
GraphQL
プログラミング言語ではありませんが、多くのエンジニアが注目している技術に GraphQL があります。GraphQL は API の設計パターンであり必要なデータだけリクエストできるため、過剰なデータ転送を防ぐことができることやエンドポイントが単一であるため、多数のエンドポイントを把握する必要がないなどのメリットがあります。
将来的に需要が高まりそうな言語
Kotlin
Kotlin は急速に人気を集めている言語の一つで、Android アプリだけではなくWebアプリケーションの開発にも用いられます。 Kotlin は Java との互換性が高く、既存の Java コードとの連携が容易です。さらに、コードの記述が非常に簡潔で読みやすく安全性も高いことから、Java で構築されたシステムを Kotlin にマイグレーションする企業や新規システムを Kotlin で開発する企業も増加しています。
フリーランス市場でも Kotlin でサーバーサイドを開発する案件は増加しており、需要が高い言語です。 下記は Kotlin 案件の実例です。
FAworks における Kotlin の平均月額単価(Android案件も含む)は 75 万円となっており、Webアプリケーション開発の案件でも高単価が期待できる言語です。また、Spring Boot のような Java フレームワークを使用する案件も多いため、それらの経験や知識があると案件獲得が比較的容易になります。
Rust
Rust はエンジニアの中で人気の高いプログラミング言語です。安全性が高い、並行処理が可能、処理速度が早いなどの特徴があり、速さに関しては C 言語や C++ に匹敵すると言われています。そのため、 C 言語や C++ に代わる言語としても注目を集めています。もちろん、Webアプリケーションのサーバーサイド開発にも使用することができ、Dropbox でも Rust が使用されています。
Rewriting the heart of our sync engine
フリーランス市場でも需要は増えてきていますが、Python や Java ほどの案件数はありません。 ただ、Rust を採用する企業は大企業からベンチャー企業まで幅広く増えているため、将来性は高いと言えるでしょう。
過去のトレンドとなっている言語
トレンドの言語や将来性の高い言語がある一方で、過去のトレンドとなっている言語もあります。
PHP
一つ目は、PHP です。PHP を使用しているシステムはたくさんありますが、新規開発で PHP を採用するケースは少なくなっています。 理由としては、Django や Node.js のようなサーバーサイドで高いパフォーマンスを発揮する言語(フレームワーク)が増えたことがあります。PHP にはキャッチアップコストが低いことや読み込み速度が早いといったメリットもありますが、セキュリティ観点や汎用性の観点で他の言語(フレームワーク)が選択される機会が増えています。
既存システムで PHP を使用しているシステムが多いため、案件数として大きく減少するようなことは考えにくいですが、将来性はやや低いと言えるでしょう。
Perl
Perl は C 言語とシェルスクリプトを改良して開発されており柔軟で自由度が高い言語です。 従来は、Webアプリケーションの開発で使用されることが多かった言語ですが、現在では案件数も減少しています。PHP と同様に Perl で作られたシステムの運用・保守案件はありますが将来性は低い言語です。
プログラミング言語の習得方法
プログラミング言語の習得方法を経験者と未経験者に分けて解説します。
サーバーサイドエンジニアとしての実績がある場合、自己学習や近い言語(Java と Kotlin など)の経験があれば転職やフリーランスとして案件に参画できることもあるでしょう。フリーランス市場では、対象の言語の経験が無くてもエントリーできる案件があるため、実務をこなしながらスキルチェンジすることも可能です。正社員として企業を探している場合も同様に、対象の言語の経験が無くても選考に進める場合もあるため自己学習や近い言語の経験があればスキルチェンジできる可能性が高いです。
お問い合わせはこちらキャリアや案件について相談だけでもOK未経験者の場合は、自己学習やスクールなどの選択肢があります。ただ、プログラミング言語を習得したと言える状態になるためには実務経験が不可欠なため、学習後に未経験採用をしている企業へ就職することをおすすめします。
サーバーサイドエンジニアに求められるスキル
サーバーサイドエンジニアには、プログラミングスキルだけではなく下記のようなスキルが求められます。
- RESTful や GraphQL などの API を設計できるスキル
- データベース設計や SQL チューニングなどのデータベースに関するスキル
- クラウド(AWS、GCP、Azure)などに関するスキル
- バージョン管理ツールの使用経験
プロジェクトによってはマネジメントスキルや要件定義の経験が求められる場合もありますが、上記の経験があればフリーランスとしても活躍できるでしょう。
需要の高いプログラミング言語を見分ける方法
どの言語を学習するかの選択は非常に重要です。市場で需要のない言語を習得しても案件獲得や採用には繋がりません。 需要の高いプログラミング言語を見分けるには、GitHub や Tiobe、Google Trends などのデータから使用率や認知度を確認する方法や求人媒体で求人の掲載数を確認する方法などがあります。
フリーランス市場における需要
フリーランスエンジニアの場合は、フリーランスエージェントのサイトで掲載されている案件数を確認しましょう。ただ、Rust や Kotlin(サーバーサイド)のように掲載されている案件数は少ないが、将来性が高く学習にはおすすめという技術もあるため、実際にエージェントの担当者から聞くのも良いでしょう。
フリーランスエージェント「FAworks」
FAworks は IT フリーランス向けのエージェントサービスです。 ビッグデータやデータ活用領域を得意としていますが、Webアプリケーション開発や UI/UX デザインなどの案件も豊富に取り揃えています。また、案件紹介だけではなく 10,000 人以上のキャリア支援を行った実績からキャリアプラン構築やフリーランス独立支援なども可能です。
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