機械学習・AIフリーランスエンジニア案件の特徴と必要なスキル

AI(人工知能)や、AI技術の基盤となる機械学習に関するテクノロジーは現在大きな注目を浴びている分野で、フリーランスエンジニア向けの案件も増えています。今回はAIや機械学習に関するフリーランスエンジニア案件の特徴と応募に必要なスキル、高単価案件を獲得するためのポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 機械学習・AIフリーランスエンジニア案件の特徴
  2. 機械学習・AIフリーランスエンジニアとして年収を上げるには
  3. 機械学習・AI案件の基礎知識
  4. 機械学習・AIでフリーランスエンジニアに求められるスキル
  5. 機械学習・AIエンジニアの将来性と業界動向
  6. まとめ

機械学習・AIフリーランスエンジニア案件の特徴

機械学習エンジニア(MLエンジニア)やAIエンジニアは、AI技術やその基盤となる機械学習及びディープラーニングなどの開発に特化した職種です。IT技術の普及に伴って蓄積される膨大なデータの分析にもAIが使われており、機械学習やAIを専門とするエンジニアのニーズが急速に高まっています。しかし、現状ではこれらのスキルを持った人材が非常に限られているため、AI、機械学習関連の案件は高単価かつ長期のものが多くなっています。

この記事では、AIエンジニアや機械学習エンジニアの仕事内容や求められるスキル、平均的な年収、将来性について詳しく解説します。

業務内容

機械学習・AIエンジニアの業務は、大きく分けて以下4つの業務に分かれます。

  • 機械学習用のデータ収集モジュールの開発
  • 学習データを機械学習で活用しやすい形に整える、前処理
  • 学習データを活用した、機械学習アルゴリズムの検証
  • 機械学習アルゴリズムを取り入れた、アプリ開発

機械学習アルゴリズムを取り入れた、アプリ開発をイメージしている人が多いかもしれませんが、実際には、アプリ開発に組み込むための準備として作業を行うことも多くあります。

具体的には、以下のようなユーザーの操作データを収集するモジュール開発の案件もあります。

機械学習では、活用するデータがとても重要です。質の悪いデータがたくさん含まれていると、その分結果も不正確になってしまいます。そのため、開発に必要なデータをうまく集める仕組みが必要なのです。また収集したデータはそのまま活用できませんので、機械学習アルゴリズムに適した形に整える必要があります。それが、前処理です。さらにこの前処理したデータを活用し、使いこなすための検証が必要となります。

これらを全て終えて初めて、以下のようなアプリ開発ができるのです。一口に機械学習・AIエンジニアと言っても、業務は多岐に渡ります。

単価や年収の相場

機械学習・AIエンジニアは、プログラミングスキルだけでなく、機械学習・AIに対する深い知識・経験が必要です。そのため希少価値が高く、年収が高くなる傾向にあります。案件の単価は月70万円~100万円程度が中心で、この価格を当てはめると840万円~1200万円程度の年収が見込める計算になります。たとえば、月収100万円の案件は以下のような内容です。

勤務体系

機械学習・AI技術に習熟している人材はまだ少なく、実務経験のある機械学習・AIエンジニアは貴重な存在であるため、週3日程度の勤務や、時短での勤務、フルリモートワークなどの勤務体系を選べる案件も比較的多くなっています。また、AI関連のプロジェクトで扱う内容や工程はやや複雑であるため、いったん案件を任された場合には長期の契約を望まれるケースも多いと言えます。クライアントと信頼関係を築くことができれば、高額案件を継続的に任されることもあります。

高単価案件の特徴

以下の業務ができると、高単価案件を目指しやすいと言えます。

1. 上流工程・マネジメント

機械学習の知識を活用し、プログラムを実装できるスキルはもちろん必要ですが、要件定義や基本設計など、開発の核となる業務ができれば高単価に結びつきやすくなります。

また、チームメンバーをマネジメントするスキルも、高単価となりやすい傾向にあります。進捗管理やプロジェクト管理を求められる業務もあり、プロジェクトマネージャーとして参画すれば、高単価を見込めます。

ただし、いきなり上流工程を担当することは難しいので、まずは目の前のプログラム実装案件に全力で取り組み、クライアントから信頼を得ることが重要です。信頼を得ることができれば、徐々に上流工程を任せてもらえるでしょう。

2. インフラ設計・構築

機械学習はビッグデータなど、大規模データを処理することが多いです。そのため、大規模データに耐えうる「インフラ」が、運用の要となります。

仮に良い機械学習プログラムを作れたとしても、運用できなければ意味がありません。「運用を意識し、インフラ設計・構築できるスキル」があれば、大きな仕事を任せてもらえる可能性が高くなります。またインフラ知識があれば、設計・実装の精度も高くなるので、結果的に、高単価を目指しやすくなります。

機械学習・AIフリーランスエンジニアとして年収を上げるには

フリーランスの機械学習エンジニア、AIエンジニアとしてより高単価の案件を獲得し年収アップを図るには、各種スキルのブラッシュアップを行う必要があります。

1. 専門分野での経験を積む

機械学習やAIと言っても専門分野は広く、業界や作業範囲によって、求められる知識やスキルは変わります。特定の業界・作業範囲に特化した経験がある人の方が、高単価になりやすいので、実績とともに「専門分野」を見極めていくことも必要です。

2. 上流工程のスキルを鍛える

プロジェクト全体の要件定義を行ったり設計や技術選定を行ったりする「上流工程」に携わる案件は高単価の案件が多くなります。機械学習エンジニアを出発点としてスキルを磨き、徐々に上流工程に携われる案件を選んでいくとよいでしょう。

3. マネジメントスキルを鍛える

フリーランスとして活動する場合も、チームをまとめるマネジメントスキルは非常に重要です。チームメンバーの作業管理、プロジェクト管理ができれば、プロジェクトリーダーとして参画することも可能でしょう。プロジェクトリーダーとしての経験を積めば、プロジェクトマネージャーとしての参画も可能となります。役割に合わせて単価も上がるため、高単価を目指しやすくなります。

4. 最新技術を習得する

フリーランスのエンジニアに期待されているのは「即戦力」です。AIや機械学習の技術は日々進化していますから、自分の知識やスキルが時代遅れにならないように、最新の情報について敏感になっておきましょう。新しい技術やプログラム、有用なライブラリや使いこなすための情報交換は英語で行われていることが多いため、語学スキルがあれば海外で新しい技術が発表されたときにすぐに内容を理解することができます。最新の技術を習得して、クライアントに最新技術を活用した提案ができるようなら、さらに理想的であると言えます。

5. 周辺スキルを鍛える

アプリ開発は、目の前のプログラムを作ることだけが仕事ではありません。実装する前の「シミュレーションスキル」も重要です。たとえば、MicrosoftのAzureにある「Azure Machine Learning」を使えば、機械学習のシミュレーションができます。事前にシミュレーションができれば、より精度の高い設計や、プログラムが実装できます。

このように、周辺スキルを鍛えて希少価値の高い人材になれば、高単価を目指しやすくなります。

機械学習・AI案件の基礎知識

フリーランスの各種エンジニアの中でも機械学習エンジニアやAIエンジニアは特に高収入が見込める分野です。では、機械学習とAIにはどのような違いがあるのでしょうか。

機械学習とは

人の知能を人工的に実現させる試みである「AI」を実現させるための方法の一つが機械学習です。コンピュータに画像や自然言語などのデータを読み込ませ、そのデータを分析して未来のデータを予測させますが、機械学習の具体的な方法は大きく分けて「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。

「教師あり学習」は、「正解(教師)となるデータを学習させておき、正解を導く方法」です。たとえば、「猫の種類を分類する場合」を考えてみましょう。

この場合は、画像データごとに、「マンチカン」「アメリカンショートヘア」などの種類を学習させておきます。その上で「毛の長さ」「体質」などのルールを作り、新たなデータを分類するのです。

一方「教師なし学習」は、正解となるデータがない状態で正解を導きます。類似データをグルーピング(クラスタリング)したり、本質的なデータ以外を削除したり(次元削減)したりして分類していくイメージです。

「強化学習」は、「教師あり学習」に似ています。ただ、「結果を最大化する」という意味で、大きく違いがあります。たとえば、ダイエットを考えてみましょう。短期的に見れば、食事量を一気に減らして痩せることはできますが、リバウンドを考慮すると、長期的に見て最大化できているとは言えません。食事制限 + 筋トレで基盤を整えることや、食事制限も段階を踏んで進めていくのが、最適解かもしれません。このように最大化する結果を求めるのが、強化学習です。

機械学習とAI、ディープラーニングの違い

ここで、似たような文脈で使われることも多い「AI」「機械学習」「ディープラーニング」の用語の違いについて、改めて確認しておきましょう。

機械学習は、AI(人工知能)の一部です。AIはコンピュータを人間の知能に近づけようとする試みで、AIを実現するために使われているのが「機械学習」などの仕組みです。人間の知能の仕組みは未だにその大半が解き明かされないままとなっていますが、今までの研究で判明したその仕組みのごく一部を「機械学習」の形で模倣できるようになりました。

ディープラーニングは、機械学習の一部で、人間の脳神経細胞の働きを真似て作られています。ディープラーニングによって画像認識、音声認識、自然言語処理などの大規模データを高い精度で分析できるようになりAIも格段に進歩を遂げたのです。

機械学習・AIでフリーランスエンジニアに求められるスキル

機械学習エンジニアとAIエンジニアに求められるスキルの難易度は非常に高く、プログラミング初心者やIT業界の未経験者にとっては厳しい内容ですが、それだけにスキルの価値も高いと言えます。

機械学習エンジニアに求められるスキル

機械学習エンジニアに求められるスキルには、以下のものがあります。

  • 機械学習のアルゴリズムの知識
  • データモデリングの作成・評価スキル
  • PythonやC/C++のプログラミングスキル
  • 機械学習ができるフレームワークの知識
  • SQLやデータベースの知識

アルゴリズムの理解やデータモデリングの作成・評価スキルは、機械学習の知識として必要です。またアプリ開発を進める上で、プログラミング言語・フレームワーク・SQLやデータベースの知識も必要でしょう。

特に「pandas」や「TensorFlow」など、フレームワークを限定した案件は多くあります。使い方を理解して実装できるよう、経験を積んでおくことをおすすめします。

AIエンジニアに求められるスキル

AIエンジニアに求められるスキルには、以下のものがあります。

  • プログラミングスキル
  • データベースの集積や解析スキル
  • 機械学習やディープラーニングの知識
  • データを解析するアナリティクス技術

機械学習エンジニアと同様、Pythonを中心としたプログラミングスキルは必須です。加えて、機械学習やディープラーニングの知識も必要になるでしょう。また、数学的知識、統計処理、データ解析などのアナリティクス技術も重要です。

機械学習・AIエンジニアの将来性と業界動向

機械学習・AIエンジニアは、単価や希少価値がとても高く、需要が拡大している一方で、供給が追い付いていないのが実情です。

IoT(モノのインターネット)の普及などで得られる大量のデータを解析するためにはAIが欠かせないものになっており、今後もAI関連分野のエンジニアに対する需要はますます増えていくと予想されています。求められるスキルや実務経験の水準は高いですが、今後も待遇がさらに良くなる可能性を秘めており、チャレンジする価値は十分にあると言えます。

まとめ

AIや機械学習の分野は、急速に拡大するエンジニアの需要に対して人材の供給が全く追いついておらず、好待遇が大いに期待できる業界です。業務の範囲が広く求められるスキルも高度ですが、高単価の案件が多く将来性も十分です。まずは自分のスキルに合った案件で経験を積み、AI関連分野にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。