パフォーマンスの悪さがeコマースの売上に与える影響とは

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休暇期間になると、ECサイトが遅いせいでショッピングカートの18%が破棄されるという。そんな恐ろしい休暇期間が近づいてきたので、eコマースにおいてパフォーマンスの悪さがいかに売上に影響するかについて話すにはちょうどいいタイミングだ。実在する例とパフォーマンス改善のための具体的なステップを紹介したいと思う。

なぜウェブサイトのパフォーマンスが大事なのか?

10年前、オンライン販売の事業数は比較的少なかった。現在、オンライン販売をしていない会社は少数派になった。現代の私たちの生活において、いつでもアクセスできるというインターネットの特性があることで、オンライン販売の市場は巨大になり、競合の数も多くなった。

消費者は山程の選択肢に恵まれ、あちこちの店で商品を探すことをためらわない。サイトが遅ければ、ビジターは迷わず他へ行ってしまう。ECサイトが遅いということは、リピーターや見込み客の売上を失うということを意味する。

Load Impactは2012年にこのことについての研究を行い、ECサイトのオーナーのうち53%が、サイトパフォーマンスの貧弱性や不安定性を理由に、売上やビジターを失っていることがわかった。

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これは重要なポイントだ。もしオンライン販売を通してビジネスを成長させたいと願うなら、サイトパフォーマンスの悪さは短期売上の妨げになるだけでなく、長期的な成長の機会を著しく奪うことになるだろう。

このことを裏付ける統計がある。ウェブサイトとコンバージョン率または収益の相互関係というのは、組織内においてたびたび報告されてきた。私は、数社のeコマースのクライアント先でそれを実際に見たことがある。たとえ比較的小さなオンライン小売業においても、ウェブサイトが速いことが及ぼすプラスの影響は目覚ましいものがある。

巨大なオンライン小売業に関して言えば、サイト速度が持つ影響がいかに大きいかが分かる。2006年までさかのぼると、Amazonがページ速度を100ミリ秒早くすることは収益を1%増やすことに等しいと確かに報告している(ソース)。

このことについて、元Amazon従業員のグレッグ・リンデン氏も自身のブログで示唆している。

「私たちは、A/Bテストで100ミリ秒ページを遅くしてみたが、非常にわずかな遅れでさえも結果としてかなり手痛い収益の減少を招いた」

測定による誤診を避ける

私たちがすでに実証してきた通り、速度というのは、ウェブサイトのユーザビリティにおいて重要な部分であり、素晴らしいビジネスと平均的なビジネスを差別化するものだ。中小企業に共通して見られる問題は、ウェブサイト・パフォーマンスとそれがいかに重要な要素かということについての認識が欠けていることだ。

売上をもたらすウェブサイトのパフォーマンスが好ましいということは容易に想像できる。そして、ウェブサイトの売上が低い場合は、デザインを変更することや、ただ単純に売り上げるためのアクセス量が必要なのだと思うかもしれない。だが、このような根拠の無い思い込みをすることは危険だ。

では、必要な証拠はどのようにして手に入れるのか?一に測定、二に測定、三に測定だ!そんなの面倒臭すぎるって?測定しないことのリスクを考えてみよう。

  • 顧客のエクスペリエンスが悪い=評判が悪くなる
  • 実際必要なのはパフォーマンスの監査だけだったのに、「動かない」せいで、ウェブサイトの変更に大額の予算を費やすことになるかもしれない。
  • ウェブサイトのアクセス量を増やすために、クリック課金(PPC)広告の予算を増やすことになるかもしれない。でもこれは顧客を満足させる代わりに、不満を抱くビジターを増やすだけだ。いかにも、これはよく言うところの「リーキーバケット(水漏れするバケツ)」にお金をつぎ込むことに等しい。しかも、さらに悪いことに、お金を費やせば費やすほど、不満を持つビジターをもっと増やしてしまうのだ!

サイトパフォーマンスを測定する方法

パフォーマンスをモニタリングするという考えに馴染みのない人にとって、ウェブサイトのスピード測定は実際よりはるかに簡単に思えるかもしれない。

ウェブサイトの読み込み速度を測定する方法は、当たり前に見えるけれどホームページをpingして・・・ええと・・・読み込みにどのくらいかかるかを見るのだ!3秒以内に読み込めれば、素晴らしい!10秒かかれば、あまりよろしくない。

この驚くほど簡単なテストは、目安にするのは良いがあなたのウェブサイトのパフォーマンスの全体像を示してくれるとまではいかない。もしウェブサイトの速さを正確に測定したいなら、考えなければならない要素がたくさんある。ほんの少しだが、例を上げてみよう。

  • サイト全体のパフォーマンス
    試したのはたった1枚のページに過ぎない。そのページの読み込み速度を調べるだけでは、全く異なるパフォーマンスをする可能性がある残りのサイトページを見落としてしまう。
  • 負荷がかかっている中でのパフォーマンス
    2人のユーザが同時にウェブサイトを使うのは大丈夫でも、10人が同時にアクセスすることになったら問題だ。
  • 地理的な位置
    そのサイトのパフォーマンスが良い国もあるが、そうでない国もあるかもしれない。一つの場所でのテストからは、世界中の様々な場所でのパフォーマンスがどうであるかを測ることはできない。
  • 実際の利用者行動
    本当のユーザは様々な行動をとる。ページに来てから、すぐに去る(「直帰」として知られている)人もいれば、何ページかを閲覧し情報を探す人もいるし、そのウェブサイトがオンラインで商品を売っていれば問い合わせを送信する人や購入のプロセスを踏む人もいるだろう。つまり、サイトパフォーマンスを測定する最も良い方法は、ユーザにロードされている状況下で行う必要があり、それが現実のシナリオを表している。

だから、ベストな負荷テストというのは、複数ページを、世界中様々な場所で、異なる行動を取る何人かの仮想ユーザによって同時にテストされることで成り立つ。

しかし、どのようなタイプのユーザシナリオを用意すればいいのだろうか?すなわち、どのようなユーザ行動を再現したいのか?ということだが、そこでウェブサイトのトラフィック統計が役に立つ。Google Analyticsのようなツールは現在のビジターがどう行動しているかを示してくれる。

もし問い合わせフォームに10%のコンバージョン率があるなら、それを模したユーザシナリオを作成し、生じた負荷の10%にこのシナリオを適用させると良いだろう。おおまかに言えば、現在のビジターやユーザを理解し、彼らの行動を再現するシナリオセットを構築するのだ。

また、独自の負荷テストを作成してみる前に重要な第一歩となるのは、専門用語を理解しておくことだ。

Load Impactは、「ランプアップ(Ramp-up)」、「ランプダウン(Ramp-down)」、「仮想ユーザ」、「累積ロード時間」、「負荷テスト実行プラン」、「ユーザシナリオ」などの用語を理解するために役立つ便利なリソースを提供している。

この記事のパート2では、いくつかの実在するサイトパフォーマンス測定基準と、サイトパフォーマンス改善をするための実用的な方法について掘り下げて考えたいと思う。次回をお楽しみに。

原文:http://blog.loadimpact.com/blog/how-bad-performance-impacts-ecommerce-sales-part-i/ (2015-11-17)
※元記事の筆者には直接翻訳の許可を頂いて、翻訳・公開しております。

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