フリーランス・個人事業主が法人化するメリットとデメリット

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      2016/05/26

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フリーランスとしての事業が軌道に乗ってきて、「そろそろ法人にしようかな」なんて考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、個人事業主のまま続けるか、法人成りするかを判断するために知っておきたい「法人成りのメリット・デメリット」についてご紹介します。

目次

個人事業主と法人の大きな違い

個人事業主から法人化することによるメリットは沢山ありますが、特に大きく変わるのは下記2つです。

  • 税金・経費面(節税に繋がる)
  • 社会的信用度

収入が多ければ多いほど、法人の方が節税できる仕組みになっています。 とはいえ、もちろん法人成りが全ての人にとってメリットが高い訳ではありませんし、それなりに面倒も覚悟しておく必要があります。

 

フリーランスが法人化するメリット

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1.所得税が法人税に。所得が多ければオトク。

フリーランスが仕事をして稼いだお金にかかる所得税は、累進課税制度。つまり、所得が高ければ高いほど税金も高くなる仕組み。900万円を超えると税率が23%から33%に引き上がります。

それ以上大きいと、実質ほぼ半分が税金で取られてしまうという状況に。

課税される所得金額 税率 195万円以下 5% 195万円〜330万円以下 10% 330万円〜695万円以下 20% 695万円〜900万円以下 23% 900万円〜1,800万円以下 33% 1,800万円〜4,000万円以下 40% 4,000万円〜 45%

一方、法人化した場合にかかる法人税は、所得が年間800万円を超えても税率は一律で23.9%。(2015年3月までは25.5%でしたが、更に引き下げられました。) 所得が多ければ多いほど、法人化するメリットが生まれるでしょう。

2.最大2年間、消費税の支払いが免除になる

消費税が8%になった今、更に消費税の負担が重くなってきているのではないでしょうか。

  • 法人設立時の資本金が1,000万円未満
  • 設立1期目の6ヶ月間に売上・給与の支払額が計1,000万円以下

これらの条件を満たせば、法人設立後2年間消費税が免除されることになります。 今後更に消費税が重くなっていくかもしれないことを考えると、これは大きいですね。

3.給与・退職金を経費にできる

役員報酬や退職金を経費にすることができます。つまり、経営者である自分自身の給与も会社からもらうという形になります。

その場合、給与の全額が課税対象になる訳ではなく、「給与所得控除」を除いた金額が課税の対象。青色申告をする個人事業主にも最大65万円の特別控除がありますが、給与所得控除の方が百万単位になることも多く、更に大きな節税に繋がる可能性があります。

更に、家族を従業員として、報酬を分散し、節税することも可能です。

4.社会保険に加入できる

本人だけでなく、収入条件などを満たした経営者の家族も、社会保険に加入することができます。更に配偶者を非常勤役員かつ扶養者にすることによって、社会保険料を支払わずに済ませることも可能です。

また、生命保険においても個人事業主は控除額に上限がある一方、法人には上限がありません。

5.決算日を選ぶことができる

フリーランスの場合、決算期は12月と決まっています。更に確定申告や納税もありますし、忙しいタイミングが重なってしまうという場合もありますよね。

法人化すると、決算期を自由に決めることができるようになります。繁忙期を避けて決算期を決めることができますね。

なお、先ほどの消費税免税の話と合わせると、設立日から決算日まではなるべく長く取った方が節税に繋がります。(1月20日に設立をして、1月31日決算とすると、10日間ですぐに決算が必要となります。)

6.相続がしやすい

法人であれば、会社を相続する場合にも、登記事項を変更するだけで済みます。

個人事業主の場合は、万が一事業主が亡くなれば事業を存続させることはできませんが、法人の場合は例え経営者が亡くなっても会社を残すことができます

7.社会的信用度が高くなる

ご存知の通り、フリーランスの社会的信用度は低く、ローンやクレジットカードさえ難しいと言われていますが、法人化すると取引先や銀行など金融機関からの信用が高まります。

資金調達も法人の方が一気にしやすくなります。

 

フリーランスが法人化するデメリット

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1.設立に時間も手間もお金もかかる

フリーランスと違って、法人登記の手続きは非常に煩雑。個人事業主の申請のように、紙一枚の提出で終わる訳ではありません。

また、資本金は1円から可能ですが、会社設立には少なく見積もっても30万円ほどの費用が必要となります。例え自力で全て設立手続きをしても、かかる金額はあまり変わりません。

2.経営が悪化しても法人住民税を払う必要がある

法人成りしたからといって、常に業績が良いとは限りませんよね。法人には法人住民税が必ずかかり、これが地味に大きな金額として現れてきます。

経営が悪化した場合、会社が赤字状態でも、法人住民税は最低7万円。実質事業をストップさせていたとしても毎年必ずかかるのです。

3.会計・税金の知識が必須

フリーランスの場合、会計が面倒という人のために白色申告という手がありますし、青色申告でも何とか自分一人で対応できます。

しかし、法人になってからは複式簿記での帳簿作成が必須。事務作業が増えることになりますし、事業規模が大きくなればなるほど、自分一人の手に負えるものではありません。

4.廃業がしにくい

個人事業主の場合は、廃業届を税務署に提出するだけですよね。 法人化した後に廃業をしたい場合、役員の実印が必要など、一段と手間がかかります。

更に廃業後、法人名義のお金を個人のお金に戻した場合、なんと所得税がかかってしまいます。二重に徴収されているようなものですね。

5.会社の維持に費用がかかる

主に決算のタイミングで大きな費用がかかります。税理士への支払いも含めて、年間50万円以上を負担することも珍しくありません

税理士や経理担当を雇うにしても、追加で大きなお金が必要になるため、せっかく節税を頑張っていても「あれ、結局払っている金額が変わらない?」ということにもなりかねません。

6.接待交際費に上限が生まれる

法人化すると、交際費の1割が経費として認められなくなります。更に、経費が600万円を超えた分についても経費計上をすることができません

7.従業員がいなくても社会保険への加入が必須

上述の話と正反対ですが、社会保険加入に特にメリットを感じない人にとっては、ここがデメリットになるでしょう。

フリーランスの場合は、5名以下の場合は社会保険への加入が必須ではありません。 法人では、例え一人会社であったとしても、社会保険への加入が必須になります。

最後に:法人化するタイミングは?

フリーランスでも最大2年間の免税は受けられるため、しっかりフリーランス・個人事業主として稼げるようになった後に法人成りすると、最大4年間の免税を受けられることになりますね。

法人成りを考えるタイミングは、「フリーランスでの所得(収入−経費)が1,000万円を越えた時」とよく言われます。色々な恩恵を受けられるからといってすぐに法人成りするのではなく、法人設立の費用やその他の金銭的・人的コストにもしっかり耐えられる状況を作ってから法人成りをした方が良いでしょう。

まずはフリーランスとして稼ぐ金額を増やし、節税対策を本格的に考えるべき時が来たら、検討されてみてはいかがでしょうか。

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